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教員メンバー

リーダー:田中浩也(慶應義塾大学環境情報学部准教授)

学術目的から産業応用まで、いくつかの異なる視点やスコープが重層する本プロジェクトですが、本当のゴールは、人間が宇宙に移住するときかもしれないと本気で思っています。人類が宇宙に引っ越しするとき、おそらく身の回りの人工物(もの)を運んで持っていくことはないでしょう。身一つで移住し、宇宙では必要になったらその都度、3Dプリンタで「もの」を出力するはずです。そのとき、地球上のあらゆる人工物(もの)のデータベースが整備されていれば、人類全体に大きく貢献するはずなのです。そしてそれが、静的なデータではなく、動的に進化したり、環境に適合したりするデータであるためにはどういう記述や構造であればよいのかを探していきたいと思っています。

小檜山賢二(慶應義塾大学政策・メディア研究科名誉教授)

    

「3Dモデルをネットワークに公開、世界中の研究者の利用を可能にする」ことを目的に、「高精細なテクスチャを有する3Dモデル」の研究を推進してきた。3Dプリンターの登場により、コンピュータ上での3Dモデル閲覧だけでなく、リアルモデル製作が可能になる。「必要なものを/必要なとき/必要とする人が作れる世界」を創りたい。「ものゲノムデータベース」構築は、そんな時代の核となる試みである。「ものゲノム」というからには、単に外見を3Dモデル化するだけでなく、セグメント化により「もの」を構成する各部の構造とその相互関係を明らかにするなど一歩踏み込んだアプローチが必要だ。また、このデータベースが充実すれば、利用者の目的は、3Dプリンターだけでなく多岐にわたる。多様な要望に応えるためには、「もの」に付随する正確な情報も必要だ。しっかりとした基盤設計を行い、次世代の社会に貢献できるようなデータベースを構築しよう。

脇田玲(慶應義塾大学環境情報学部教授)

本プロジェクトは多種多様な分野から網羅的に3Dデータを蒐集しコモンズとする以上の意味を持っています。ものゲノムは、あらゆる人工物のCADデータ、他の人工物との部品間の関係性、かたちの進化や生長、派生や継承関係、全世界での利活用の記録など、人工物間の相互ネットワークを地球規模で生成するためのプラットフォームでもあるのです。言ってみれば、誰もが接続可能な地球規模のものづくりの神経系です。この新しいメディアによって私たちの生活がどのように変化していくのか、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

松川昌平(慶應義塾大学環境情報学部准教授)

ご存知のようにゲノム(Genome)とは、遺伝子を意味するGeneと、総体を表すomeが組み合わさった造語です。ですので、ものゲノムとは、ものの遺伝子の総体を意味することになります。そもそも、ものの遺伝子って何なのか?しかもあらゆるものの総体を表現できる遺伝子なんか存在する(創造できる)のか?雲をつかむような壮大な話ですが、ものゲノムという言葉から出発し、連想や誤読や試行錯誤を繰り返しながら、ものゲノムとは何なのかを考えていければと思っています。